「キジムナー」
灼熱の太陽が照りつける亜熱帯に連なる島々。
宝石の海に浮かぶ沖縄。
太古の昔から沖縄に伝わる妖精「キジムナー」。
沖縄にはガジュマルに棲むキジムナーがいる。
太古の昔、恐竜の時代から存在するキジムナーは、
花の誕生と、そこから始まる花と昆虫と
ほ乳類による共生の始まりを見ていた。
そして、恐竜の絶滅を。
そして、その長い歴史の中でキジムナーは見た。
ありったけの地獄を
一ヶ所にまとめたようなあの戦闘を。
1945年ー
鉄の暴風。集団自決。捨て石作戦。
あの年から時を重ね、80年が過ぎた2025年。
現代の沖縄、日本を見た時、
キジムナーの目に映るのは、あの時と同じ光景か。
沖縄戦、辺野古の新基地移設、
そして与那国島を始めとする
南西諸島で進む自衛隊基地の建設。
沖縄からは日本がよく見える。
沖縄に映し出された日本と、この国の姿がよく見える。
キジムナーはいつの世も歌い続ける。
あなたにはその歌声が聞こえますか。
